何処(いずく)から聞こゆる風の音(ね)東雲(しののめ)の あなたおもてか 我が心(むね)の内か
照滴063
本文
何処(いずく)から聞こゆる風の音(ね)東雲(しののめ)の あなたおもてか 我が心(むね)の内か
形式
#短歌
カテゴリ
#10.精神・悟り・心象
ラベル
#風 #悟り #精神
キーワード
#風の音 #東雲 #心 #気配 #迷い
要点
風の音が聞こえるのは、外界からか、心の内からか、心を研ぎ澄ます体験。
現代語訳
どこから聞こえるのだろう、東雲の風の音は。あちら側(=外)からか、私の心の内からか。
注釈
東雲:夜明け、清浄な時間
あなたおもて:古語で「あちら側」や「向こう側」。彼方面
心の内か外か、内面世界と外界の境界を問う
解説
自然の音を媒介に心の静けさと精神的観照を描く。外界と内界の融合を示す短歌。
深掘り_嵯峨
真理の響きの起源に関する問いの歌です。「風の音」という真理の響きが、「東雲のあなたおもて」という外の世界にあるのか、それとも「我が心の内」にあるのか、という内と外の境界を問いかけています。真理は内と外のどちらにも遍満しているという、不二の真理を詩的に探求しています。